馬の体重は何キロ?量り方と、テープ・計算式の誤差

英国で体重計に載せた乗用馬の平均は545kg、体重テープはそれを7〜8%軽く読みました。投薬、飼料、馬運車のために実際の数字を得る方法と、JRAの馬体重から見える季節の変化を紹介します。

Mostafa Zamani約5分

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石畳の厩舎の庭で、ロープ製の無口をつけた鹿毛の馬が、低い灰色の家畜用体重計の台の上に横向きに立っている。背後には木の馬房の扉と、壁に掛かったヘイネットが見える。

駆虫薬のシリンジには体重の目盛りがあり、獣医師からは体重を聞かれ、胸に巻いたテープは505kgを指しています。けれども胸の深いがっしりした馬なら、そのテープは30〜40kg少なく出ているかもしれません。馬の体重は「何キロくらい」と幅で答えられがちですが、自分の馬の体重を知るには方法があります。この記事はその方法の話です。

投薬、飼料の量、馬運車のために実際の数字が要る馬主さんと、広告に書かれた体重が量ったものか目測かを知りたい購入希望者のために書いています。

体重計で量った馬の体重

多くの答えは乗用馬で400〜600kgと書いて終わり、誰が量ったのかは書いていません。私たちが確認できた最大の計量データは英国のものです。2歳を超える1,716頭を、1kg単位の馬用体重計(台秤)に載せたもので、飼料会社の栄養相談の記録をエディンバラ大学の獣医学部と共に分析し、2023年に論文として発表されました。馬は四つのグループに分けられています。

グループ平均体高体重計での平均体重
小型ポニー(350kg未満)115cm255kg
大型ポニー(147cm未満)139cm436kg
軽めの体型の品種162cm545kg
がっしりした体型の品種155cm545kg

1,716頭全体の平均は484kgでした。下の二行に注目してください。がっしりした馬は7cm低いのに体重は同じで、体高だけでは体重がわからない理由がここに表れています。ポーランドで299頭を電子秤で量った研究では、サラブレッドが501kg、ポーランドの温血種とシレジア種の三品種が561〜588kgでした。重種馬の計量平均は確認できる資料が見つからなかったため、ここでは載せません。乗用馬の体重を量って公表している日本の機関も見つかりませんでした。

競走馬の馬体重:JRAはレースのたびに量っている

日本で「馬体重」といえば競馬の言葉です。JRAは出走するすべての馬を、レースの前に毎回体重計で量っています。JRA競走馬総合研究所のブログによると、2011〜2020年のJRA平地競走、のべ47万頭以上の平均は470kg(牡480kg、牝455kg)です。これはトレーニング中の競走馬のデータで、乗用馬の目安ではありません。後で紹介するCarrollとHuntingtonの1988年の研究でも、競走中のサラブレッドは同じ体高・同じ肉付きの競走していないサラブレッドより有意に軽いとされています。

JRAの2002〜2014年の632,540回分の計量記録を分析した2017年の研究では、牡と騸馬は秋から冬に重く夏に最も軽くなり、牝馬は秋に重く春に最も軽くなりました。現役期間を通じて約30kg増えたことも報告されています。毎回同じ体重計で量るから季節の波まで見える、というのがこの記事全体の要点の一番わかりやすい例です。

なぜ数字が大事なのか

一つ目は駆虫薬や薬の量です。量を決めるのは獣医師ですが、伝える体重はあなたが管理できる部分です。欧州の寄生虫ガイドラインESCCAPは、投与量の不足を駆虫薬耐性の主な原因の一つに挙げています。545kgの馬に505kg分を与えれば、ラベルの想定より少なくなります。駆虫のスケジュールは別の話で、これも獣医師と決めることです。

二つ目は飼料です。飼料の量は体重に対する割合で考え、一日2%が一般的な目安だと乾草の記事で書きました。上の軽めの体型の馬なら、量った545kgの2%は10.9kg、同じ馬のテープの平均505kgの2%は10.1kgです。差は一日0.8kg、180日の冬なら0.8×180=144kgになります。

三つ目は馬運車です。英国政府の案内は、トレーラーのプレートに記載された最大許容質量から考えるよう説明しています。トレーラー自体、馬、馬具のすべてが含まれます。牽引の規則は国ごとに違うため、日本の規則とプレートの表示を確認し、量った体重で計算してください。移動の費用は輸送費の記事にまとめています。

正確なのは体重計だけ

米国馬臨床獣医師協会(AAEP)は電子式の体重計を最も正確な方法としており、前述の英国の研究も、費用のため手近にないことが多いと断ったうえで同じことを書いています。その研究のデータも、厩舎に運んだ移動式の体重計で集めたものです。かかりつけの獣医師、飼料店、厩舎に、体重計があるか借りられるかを聞いてみてください。馬着を外し、できれば毎回同じ時間帯に量ります。

胸囲と体長の計算式と、その誤差

体重計がなければ、家でできる一番良い推定は1988年の論文によるものです。CarrollとHuntingtonは372頭を量り、体重が「胸囲の二乗×体長」とよく一致することを示しました。原論文の割る数は11,900、米国でよく使われるのは11,880で、500kgの馬なら差は1kg未満です。

  • 胸囲は肘のすぐ後ろから、き甲の上をまっすぐ通してcmで測ります。
  • 体長は肩端から臀端(坐骨の端)まで測ります。
  • 体重(kg)=胸囲×胸囲×体長÷11,900。

胸囲190cm、体長160cmなら、190×190=36,100、×160=5,776,000、÷11,900=485kg(11,880で割ると486kg)です。成馬のための式で、子馬や妊娠中の牝馬は獣医師の見立てに任せてください。

精度はどうでしょう。145頭を秤で量った2011年の比較では、体長を臀端まで測った場合の誤差は平均17kg、市販のテープは66kgでした。ポーランドの研究では、どの品種群でも式は軽く出て、温血種とシレジア種で29〜39kg、サラブレッドで12kgの差でした。平均では数%以内、一頭ずつではもっと幅があり、体格の良い馬では軽めに出やすいと考えてください。

体重テープが軽く出る理由

体重テープは胸囲という一つの測定値を、メーカー独自の式でkgに換えたものです。英国の研究では、テープは平均で体重計より33kg低く、個々の馬では151kg少ないものから64kg多いものまでありました。小型ポニーではやや高め(+3.8%)、それ以外では低く、大型ポニーで6%、軽めの体型の品種で7.1%、がっしりした品種で8.5%少なく出ています。

著者の説明は単純で、テープは胸囲しか測らないため、長い胴や重い骨格が反映されないというものです。結論は、体重テープは正確な体重の測定としては頼れない、でした。テープ同士でも食い違います。600頭を対象にした1998年の研究では、同じ馬で一方のテープは体重計の112%、もう一方は98%でした。目測はさらに悪く、平均88%でばらつきも大きいものでした。

冬のあいだの体重の変化を追う

変化を見るなら、正確さより一貫性です。同じテープか同じ式、同じ人、同じ平らな場所、同じ時間帯、馬着なしで測り、日付と一緒に記録します。6頭を63日間毎週量った小さな研究では、テープの方が計算式よりばらつきが小さく、時間を追った一貫性が高い結果でした。ただし6頭だけの研究です。

ある程度の変化は普通です。放牧で暮らす英国の乗用馬96頭の研究では、肥満の割合が冬の終わりの27%から夏には35%に上がりました。冬を越して少し軽くなるのが普通の流れです。別の小さな研究では、普通の体型のポニーに飼料を制限なく与えると、冬のあいだも体重が増え続けました。急に体重が落ちる馬や、適切な量を与えても減り続ける馬に必要なのは飼料の追加ではなく獣医師です。

Hoofineにできること

Hoofineがあなたの馬を量ることはできません。販売馬の広告を見て購入を考えているなら、記載の体重が体重計か、テープか、目測か、いつのものかを売り手に聞き、見学のときに胸囲と体長を自分で測って計算してください。売る側なら、日付入りの体重計の数字を広告に載せておく価値があります。慎重な買い手がいずれ聞いてくる質問に先に答えられるからです。

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