馬の餌代はいくら?乾草の量から計算する

一日に体重の約2%、体重500kgの馬なら乾草およそ11kg。下回ってはいけない下限、与え方で変わる無駄、公表されている乾草の価格から、餌にかかるお金を計算します。

Mostafa Zamani約7分

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木造の納屋に積まれた小型の乾草ベール。手前には一つのベールが落ちて開き、柱には乾草を詰めたヘイネットが掛かり、その横に乾草用のフォークが立てかけてある。開いた扉の向こうに、霜の降りた放牧場が見える。

乗馬クラブに自分の馬を預けていると、毎月の預託料のうちどこまでが餌の分なのか、意外と分からないものです。馬の餌代は、馬が一日に食べる乾草(干し草)の量から計算できます。目安は一日に体重の約2%で、放牧のない体重500kgの馬なら乾草およそ11kg、半年で約2トンになります。

この記事は、初めて自分の馬を持ち、餌にいくらかかるのかを知りたい人のためのものです。一日の量とその根拠、獣医の指示なしに下回ってはいけない下限、一日の量を注文する量に直す計算、踏まれたり散らかされたりして無駄になる分、そして公表されている数少ない乾草の価格を順に見ていきます。競走馬ではなく、乗馬クラブにいる乗用馬の話です。

馬の餌代を決める一日の給与量

餌の量は、体重に対する割合で考えます。JRA馬事公苑診療所の「馬の飼養管理について」は、乾草などの粗飼料を体重の1〜2%、濃厚飼料を0〜1.5%、飼料の総量を1.5〜3%としています。体重500kgの馬なら、粗飼料が5〜10kg、濃厚飼料が0〜7.5kg、総量が7.5〜15kgです。

海外の目安も近い数字です。米国馬臨床獣医師協会(AAEP)の飼養指針は、米国学術研究会議(NRC)の2007年の表をもとに、維持の状態にある馬で一日に体重の1.5〜2%、運動する馬で1.5〜3%を飼料の総量としています。ミネソタ大学エクステンションの乾草の買い方の案内は、ほとんどの馬で2%、太りやすい馬や太りすぎの馬で1.5%、太りにくい馬で2.5%を目標にするよう勧めています。同大学の試験では、フィーダー(給餌器)に入れたロールベールを自由に食べた馬が、体重の2.0〜2.4%を食べました。

計算でつまずきやすいのが乾物です。栄養の専門家は、飼料から水分を除いた乾物の重さで数えます。粗飼料の給与について2017年にヨーロッパで出た総説の筆頭著者が所属する研究所によれば、乾草の乾物は85%を超え、ヘイレージは50%まで下がることがあります。同研究所の計算例は乾草を90%としています。体重500kgの馬の2%は乾物10kgで、10÷0.9=11.1kgが、はかりに載せる乾草の重さです。同じ馬にヘイレージを与えるなら、同じ重さでは足りません。

この割合を使うには二つのものが要ります。一つは馬の体重で、AAEPは電子式の体重計が最も正確な方法であり、体重推定用の巻尺も役に立つとしています。もう一つは乾草の重さです。枚数で数えず、ヘイネットと吊りはかりで量ってください。

獣医の指示なしに下回ってはいけない下限

下限はあり、しかも動いてきました。JRAの同じ資料は、大腸の消化機能と水分保持のため、体重100kgあたり1kg、つまり体重の1%の粗飼料を最低でも与えなければならないとし、体重500kgなら5kgという例を挙げています。1%は以前からある数字です。欧州馬内科専門医会(ECEIM)が2015年に出した胃潰瘍についての合意声明は、乾草を与える馬には一日に体重100kgあたり乾物で1.5kg以上が必要だとしています。体重500kgなら乾物7.5kg、乾草にして7.5÷0.9=8.3kgです。2017年の総説も、推奨する下限を体重1kgあたり乾物10gから15gへ、つまり同じ1.5%へ引き上げました。ミネソタ大学の案内も、今なお1%と書いています。

実際の線引きは、英国馬協会(BHS)の給餌の手引きがはっきり示しています。獣医の指示なしに1.5%を下回ってはいけない、というものです。太った馬の餌を思い切って減らしたくなるときこそ大事な線です。下限を割るかどうかを決めるのは獣医であって、予算ではありません。

下限の理由は大げさに語られがちなので、資料が言っていることだけを書きます。ECEIMの委員会は、粗飼料を与える間隔が6時間を超えると扁平上皮部の胃潰瘍が起きやすくなり、絶食は危険因子としてよく知られているとしました。同時に、粗飼料を自由に食べさせれば潰瘍を防げるという強い証拠はなく、より一貫して関係するのはでんぷんだとも書いています。テキサス州の馬364頭を調べた2001年の研究は、疝痛を乾草の量ではなく、乾草のロットを最近変えたことと、ロールベールからの給与に結びつけました。BHSは、十分な粗飼料が噛みたい欲求を満たし、同じ動作を繰り返す常同行動を防ぐ助けになるとしています。乾草を買う側の教訓は、できるだけ同じロットでそろえ、切り替えるときは少しずつ、ということです。

一日の量を、放牧のない期間の注文に直す

放牧地の草を食べられない日数は、自分で数えてください。たとえば180日なら、一日に11.1kgを食べる体重500kgの馬は2,000kgを食べます。一年を通して放牧がないなら365日で、約4,056kg(10÷0.9×365)です。これは食べる量であって買う量ではなく、その差は与え方で決まります。無駄になる割合を実際に測ったのは、ミネソタ大学の試験です。

乾草の与え方無駄になる乾草2,000kg食べさせるために買う量
小型の角ベール、屋外、フィーダー使用1〜5%2,020〜2,105kg
小型の角ベール、屋外、地面に置く13%2,299kg
ロールベール、フィーダー使用5〜33%2,105〜2,985kg
ロールベール、フィーダーなし57%4,651kg

計算は「食べる量÷(1−無駄の割合)」で、2,000÷0.95=2,105kgです。次に、実際に届くベールの重さで個数に直します。ベールは単位ではないからです。ミネソタ大学自身の例は、35ポンド(約15.9kg)の角ベールと50ポンド(約22.7kg)の角ベールを比べています。22.7kgなら2,105kgは93個、15.9kgなら133個です。値段を決める前に三つか四つ量り、1トンあたりの価格を聞いてください。

保管でも減ります。同じ資料によれば、屋外に覆いなしで置いたロールベールは乾物の7〜49%を失い、屋内では2〜6%でした。

乾草の質で必要な量が変わる

見た目が似た乾草でも、栄養は大きく違うことがあります。ミネソタ大学の例では、イネ科の乾草18ポンド(約8.2kg)が、より栄養のある混合の乾草15ポンド(約6.8kg)と同じ働きをしました。確かめる方法は分析しかなく、同大学の分析結果の読み方の案内は、基本的な分析を米国で約20ドルとしています。分析で分かるのは乾物、エネルギー、たんぱく質と、蹄葉炎の馬に向くかどうかを左右する糖とでんぷんです。ミネソタ大学もBHSもその線を約10〜12%とし、これを超える乾草は水に浸すか、与えないよう勧めています。

買う日には水分も見ます。同じ案内は10〜15%を適切な範囲とし、16%を超える乾草はかびるおそれがあるとしています。ほこりっぽい乾草やかびた乾草は、いくら安くても得にはなりません。

馬の餌代はいくらか:日本には公表された価格がない

ここは証拠が薄いところです。日本は乾草の多くを輸入していますが、馬主が実際に払う乾草の価格を公表している機関は見つかりませんでした。乗馬クラブに預けている場合、餌の費用はたいてい預託料の中に含まれていて、別の請求にはなりません。まず、預託料に乾草と濃厚飼料がどれだけ含まれているのかをクラブに確認してください。

私たちが確認した10か国のどこにも、馬主が小さなベールを厩舎まで届けてもらうときの価格を公表している機関はありませんでした。あるのは農家の出荷価格や卸売価格で、どれも1トン単位です。米国農務省の月次の価格報告では、2026年8月に農家が受け取った平均価格は、乾草全体で1ショートトン(907kg)あたり190ドル、アルファルファ以外の乾草で152ドルでした。英国では、大型ベールの乾草を業者が農場渡しで買い取る価格が、2026年9月27日までの週に1トンあたり106ポンドでした。

先ほどの2,105kgをこの価格に当てはめます。2,105÷907=2.32ショートトンなので、アルファルファ以外の乾草の農家価格では353ドル、ミネソタ大学が馬用乾草の計算例で使っている1トン300ドルでは696ドルです。6か月で割ると月に59〜116ドル。英国の業者の買い取り価格なら223ポンドです。いずれも外国の農家価格や卸値で、日本で払う額ではありません。計算のしかたの見本として読んでください。

濃厚飼料はもう一つの費目です。JRAの資料は、運動していない馬なら飼料のすべてを粗飼料にしても必要なエネルギーは得られるとし、濃厚飼料の量は粗飼料の量以下にするよう書いています。与える場合は、請求の大半を占めることがあります。フランス馬・馬術研究所(IFCE)の計算例では、2014年の価格で、ペレット4kgが一日2.32ユーロ、乾草7kgが0.63ユーロでした。古く、しかもフランスの数字で、ほかにこうした数字を公表している機関は見つかりませんでした。乾草と塩のほかに何が必要かは、かかりつけの獣医に相談してください。

私たちの役割

Hoofineは乾草も馬も量れません。できるのは、粗飼料を売る人を一か所に集めることです。ディレクトリの飼料販売店には、1トンあたりの価格とベールの重さを尋ねてください。馬を預けているなら、乾草を注文する前に、それが預託料に含まれていないかを確かめましょう。なぜ預託先ごとに違うのかは自馬預託の費用についての記事で説明しており、掲載されている預託先に直接聞くこともできます。適切な量を与えているのに痩せていく馬に必要なのは、乾草を増やすことではなく馬の獣医です。そして馬の餌代は、馬の維持費についての記事にまとめた予算全体の一行です。

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